タゴサクぐずぐず読書

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男3人で同じ服を着てでかけたトリプルックの悪夢 其の③

前回までのあらすじ。

2001年6月某日。三浦は恥ずかしがり屋の松村さんと私と3人で同じ服を着てでかけようと提案。UNIQLOで茶色いポロシャツを買って松村家に突撃したのだった。

 

 まさか松村さんにこんな簡単にシャツを渡せるとも思ってなかったし、いきなり着てくれるとあって、うまく行きすぎだろうと私と三浦は笑いを必死に堪えていた。

 やがてドアが開いて、茶色服になった松村さんが出てきた。笑いを噛み殺して、近くの市営公園に移動し、おしゃべりをした。

 三浦は当時、スーパーファミコンソフト「ドラッケン」にハマっていて、クリアに漕ぎ着けたばかりだった。私も三浦宅でエンディングを見せてもらった。

 

 三浦は松村さんにドラッケンがいかにしょうもないゲームか力説し、「スタッフロールが3人だけでした」と言うとついに松村さんは笑いすぎてヨダレを垂らしてしまった。

 なんとなく「セブンイレブンのチャーハンが美味しい、チャーハンおにぎりも美味しい」という話題になると、松村さんは「知ってる! チャーハンだけじゃ足りなそうな時はチャーハンにチャーハンおにぎりを混ぜて食うんだ」と、スプーンをかき回すアクションを見せた。

 松村さんと小一時間ほど話して別れた。そして8月に3人でどこか出かけようぜという話題になった。ついにトリプルック計画始動である。

 もちろん松村さんが茶色い服を今着ているのだから、我々も急いで同じ格好をすれば達成である。しかし松村さんの事だから、恥ずかしいじゃないか!と言って家に帰ってしまうだろう。

 なるべく家から遠いところで、帰れない状況を作ってトリプルックになるのだ。そう三浦と計画を立てていた。

「松村さん、せっかくだから8月はその服を着て来てくださいよ」私が言った。

「わかったよ」と松村さん。

 大丈夫だろうか。これで着るのを忘れられたら、私と三浦のペアルックになるだけなのだが。

 

 Amazonで見つけたけど、これは明るすぎ。胸ポケットもない。

 

 松村さんと別れたあとで三浦が、松村さんが見せたスプーンで混ぜるアクションを真似ながらボソリと言った。「混ぜなくてもいいじゃんね…」

 確かに、チャーハンとチャーハンおにぎりを別に食べたほうが効率が良さげである。

 

 さて、8月にどこに行こうか。三浦と原付で再び書楽に戻った。観光地図を見て出かける先を決めるのだ。

 三浦は言った。「3人で街なかで同じ服を着てると、人が多くて恥ずかしいから、山に行こうよ」

 おまえなぁあ! おまえがやろうって言い出したんだぞ!

 だけど否定要素もないので、私たちは埼玉の山の本を手に取った。

 三浦が「いいのあった!」と言った。標高30m「ポンポン山」だそうだ。なにこれ。山なの?